【まんが】古寺の朽ち木にほころぶ梅の花の歌

実朝様の梅の和歌①
実朝様の梅の和歌②

雨そぼ降るれる朝(あした)、勝長寿院の梅、所どころ咲きたるを見て、花にむすびつけし歌

古寺(ふるでら)の 朽木の梅も 春雨に そぼちて花ぞ ほころびにける

源実朝

枯れ果ててしまった古寺の梅の木も、春雨に濡れて息を吹き返して、花がほころんでいる。

この時期、祭りのようだった大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の一年が終わってしまい、私は燃え尽き症候群でぽかーんと心に穴が空いたような日々を過ごしておりました。

歴史好きなので、「朽木」と言うのはあんまりだけれど……それでも、遠い過去の歴史というのは今はもう、我々が思い出すことでしか存在できないものですから、「朽木」のようなもの。

戦国時代や幕末と比べるとマイナーな鎌倉時代ならなおさらのこと…!

それがあの大河の年は、素晴らしいドラマとしてあの時代がよみがえり、(もちろんフィクションも含まれているわけですが)あの時代の人々がたくさんの現代の人たちに愛され、友達のように親しみを感じられ、心の中に生き返ったのです……。

大河ドラマが終わったのに、「鎌倉殿の13人」仕様の実朝公と太郎殿を描いてもいいものかと、また描くとしても何を描けばいいのかと思い悩んでいた2月ですが……やっぱり歴史上人物であるお二人と同様、ドラマのお二人も大好きなキャラクターですから、描きたいなら描いてもいいよね、と思いました。

そして、春雨でよみがえった朽木の梅の木に感動した実朝公が歌を結びつけたくなったように、私もその歌の絵を描いて楽しかった大河の一年に添えたくなったのです。

そぼつ(雨に濡れると言う意味)」「ほころぶ」という言葉の響きがなんだかやわらかいような面白いような不思議な響きで好きです。

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