はかなくて 今宵明けなば ゆく年の 思ひ出もなき 春にやあはなむ
源実朝
こんな寂しいお歌がありました。
さねとも君
今年はなんにも思い出がなかった。
年が明けたら、また来年も「思い出がなんにもなかったなぁ……」って思い返すような新年がやってくるんだろうなぁ……。
寂しいなぁ……
よっぽど、思い出したくないことが多かったのかもしれませんね(涙)
でも、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の年は別でした。
実朝公は、好きな人だけひっそり好き……みたいな人なので、こんな界隈が祭りのようになる日が来ようとは夢にも思っていませんでした。
三谷さんが大河ドラマで描き出し、柿澤さんが演じた実朝公はとても素晴らしく、優しく、美しく……
実朝公と周りの人たちの温かい心のつながりは、殺伐とした「鎌倉殿」の世界の中でよりいっそう染み渡るものとなっておりました。
千世様(奥さん)に秘密を打ち明け心が通じ合ったところで泣き、太郎君への失恋で泣き、父のように慕う和田殿の退場で泣き、言わずと知れた八幡宮の悲劇の回で泣き………
鎌倉には一日警察署長……みたいな感じで柿澤さんが訪れ(反射材の啓蒙イベントだったような気がします)、車に乗って若宮大路をパレードのようにして通った時には沿道にたくさんのファン(もちろん私も)がかけつけたのを昨日のことのように思い出します。(ちょうど2年前の今頃でした…)
そんな祭りのような、楽しくて思い出たっぷりの一年となったのです。
だから実朝公……「思い出がない」なんて、言わないで……!
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