耳をすませば 聞こえてくるよ むかしむかしの ふしぎな歌声
こんにちは!すずなごんです。和風の水彩イラストを描いています。(イラストはこちらを見てね)
ライフワークは、「和歌の素敵さ」を絵と言葉で伝えること。和歌の世界観をイラストやまんが、絵本といった形で表現しています。(和歌の作品はこちらに!)
和歌はシンプルで奥深いものだけれど、とても長い時を経ているから分かりにくいこともあります。また人によっては、「勉強」というイメージが強くてとっつきづらいと感じるかも。
「あ、この曲良い曲だなー」って街で流れている曲に惹かれるような感じで、すーっと気楽に和歌の世界に入ってもらいたい。それを目指して、作品をつくっていきたいと思っております。
「和歌の素敵さ」って?
和歌も茶道と同じように、ちいさなちいさな世界にぎゅぎゅっと宇宙がつまっていたりします。その奥深い魅力はいろいろあって、人によっても好きなポイントは違ってくるでしょう。
私がいちばん素敵だと思っている点は、いずれは消えゆく大切なもの(大事な人、自分、自然など)へのやさしい想いがつまっているということ。
今も昔も世の中が無常であるということは、変わりません。平安時代や鎌倉時代……和歌の詠まれた時代は、今よりもっと命が儚かったことでしょう。
そうした不安の中、昔の人たちによって長い時間をかけて育まれてきた和歌。たった三十一文字の中に幾重にも想いが重なっており、たくさんの意味を含んだやわらかい言葉は、魔法の呪文のようにふしぎと心を癒してくれる力を持っていました。
昔の人たちはそのことを分かっていて、その言葉の力を引き出すために、よりいっそう想いを込めて和歌を詠んでいたように思います。
現代の私たちも、戦乱の世を生きた人たちよりはずっと平安な毎日を送っていますが、コロナウイルスや震災などによって時折、当たり前な平安などないのだと気づかされます。
私たちが日々接する言葉の量もどんどん増えてきていますが、乱暴な使い方によって言葉が人を苦しめたり命をうばったりすることも少なくありません。
和歌は古い古い昔の言葉。でも、今こそ、その古い言葉の持つやさしい力になにか教えてもらえることがあるのかもしれない……とすずなごんは思っております。(和歌から生まれた元号「令和」の時代ですしね!)
すずなごんについて
- 住んでいるところ:相模国と武蔵国のあいだ
- 好きな歌人、詩人:源実朝、立原道造
- 好きな場所:鎌倉、函館、倉敷、京都、奈良、軽井沢
- 絵の制作環境:アクリル絵の具、色鉛筆、ときおりパソコン
- いちばん好きな和歌:萩の花 くれぐれまでも ありつるが
月いでてみるに なきがはかなさ(源実朝)
もともと日本史が好きだったが、高校のころに鎌倉幕府の歌詠み将軍・源実朝さんにハマったのをきっかけに和歌が大好きになる。
日本史や古典の授業でノートをとるときに登場人物の昔の人たちをまめまめとちいさく描いて図解するのが楽しく、その延長線上のようなことをずーっとやっているような気がします。
そう、それは「見ぬ世の人を友とする」遊び。(吉田兼好『徒然草』の言葉です)
昔の人たちも一生懸命生きていてとてもけなげだし、そうした中生まれた「和歌」はびっくりするほど綺麗で、やさしい。
もしかして、現代の私たちへのエールなのかもしれません。そのエールを、絵や漫画で伝えられたら嬉しいです。