ほととぎす 鳴くや五月(さつき)の あやめ草 あやめも知らぬ 恋もするかな
よみ人しらず/古今和歌集
ほととぎすが鳴く五月のあやめ草。そのあやめじゃないですけど、あやめ(道理のこと)もわからない恋をしております……。
シンプルに言えば、「わけもわからん恋をしている」なんですが、それを和歌の世界にもってきて、言葉で遊んだらこんな感じに。
「ほととぎす鳴くや」は「五月」を引き出したかっただけだし、「あやめ草」も「あやめ(道理)」を引き出したかっただけ。
でも、それが合わさると……なんだか「わけわからん!」に磨きがかかって、ほんとうにわけのわからん恋の霧の中にいる感じになるんだから、ものすごい歌なのかも。
この言葉が調子良く連なってる感じ、なんだかクイーンのボヘミアンラプソディ(オペラパート)を思い出してしまいます。
花にまつわる恋の歌。ほかにもこんなのがあるよ!
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