あやめも知らぬ恋

ほととぎす 鳴くや五月(さつき)の あやめ草 あやめも知らぬ 恋もするかな

よみ人知らず/古今和歌集

「あやめ」とは、「道理」「筋道」のこと。なにがなんだかわからぬ恋に落ちてしまった、その「あやめ」と花の「あやめ」を掛けた言ってみれば「ダジャレ」。

でも、ただのダジャレではありません。「あやめも知らぬ恋」に直接関係のない「ほととぎす 鳴くや五月の あやめ草」があるからこそ、初夏のあやめ園の、さわやかながら少ししっとりとした情景が浮かんできませんか。

「ほととぎす 鳴くや五月の あやめ草」の部分を序詞(じょことば)と言うのですが、歌の趣旨とは関係ないけれど、歌全体に漂う「アトモスフィア」(なぜ英語?)をつくってくれる大事なしかけなんだと思います。

この歌のそんな「アトモスフィア」を表現したいなぁと思ってあやめのお姫様を描きました。「ちょうどあやめのシーズンだ!」と喜んで描いていたのですが、せっかく「五月」というワードが歌の中に含まれているのに、ぎりぎり、五月に間に合いませんでした。

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