のびやかな茜色の歌

あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る

額田王

五月、滋賀県の蒲生野というところで薬草を摘む「薬猟(くすりがり)」というイベントでのこと。

時の天智天皇の妻である額田王(ぬかたのおおきみ)、紫草の野を行くと、前の旦那である大海人皇子(のちの天武天皇)がこちらに手を振ってくるではありませんか! 野守(見張り)に見られちゃったらどうするの!

……なんていう、一見艶っぽくてスキャンダラスな歌ですが、実は公の宴席で詠まれた歌。これに対して大海人皇子もノリノリで歌を返しています(大ウケだったことでしょう)。

そんなワイドショーみたいな話はもちろんのこと、なんとものびやかで心地の良い響きで、人気の高い歌。額田王の人柄もにじみでているのかな、と思います。

この歌を表現している綺麗な和菓子はこちら↓

上の記事に出てくる和菓子は綺麗な茜色。

あかねさす」……茜という言葉からはじまっていることもあり、夕焼けに染まった広い野原が目に浮かんでくるような歌です。

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