セミとホタルと、恋の和歌
明けたてば 蝉のをりはへ 泣きくらし 夜は螢の 燃えこそわたれ
古今和歌集・五四三 よみ人しらず
ヤンデレじゃん!とか思ってごめんね。
当時(平安時代)の人はきっと、現代人よりもずっと感情豊か。だからこれくらいの感情の放出は普通なのかもしれないし、和歌の表現として多少盛ってるのでしょうけど……
ご近所迷惑なんじゃないかと心配してしまう。
今だったら、カラオケオールとかで発散できるのにね。
でも、一生懸命生きている感がありますね。
そんな燃えつきそうなほどの恋ってすごい。
「よみ人しらず」なので勝手に女の子にしてみましたが、男性だったらそれはそれで……いろいろと心配だ!
ホタルは、恋歌によく使われるそうです。儚いイメージなのかな。上のまんがではちょっと激しくなってしまいましたが……。
むかしの歌人とのギャップ
- ホタルの和歌をさがした→「もうすぐ秋だなぁ」とか言ってる
- セミの和歌をさがした→「秋近いわぁ」とか言ってる
- 七夕の和歌をさがした→そもそも「秋」の部に収録されている
今日、今年初のセミの声を聞きましたので、セミの和歌や、もうすぐやってくる七夕の和歌を見てみたら、なんかもう昔の暦では秋に移りつつあるみたいです。
なんてことだ……これから夏気分、まっさかりだったのに。
セミはもしかしたら、夏代表のアブラゼミ・ミンミンゼミではなく、現代でも夏の終わり担当のヒグラシやツクツクボウシのことなのかもしれません。
和歌の世界の七夕は、天の川に涼しい秋風が吹いている様子。それから千年経って、すっかり温暖化で蒸し暑い天の川になってしまいましたね。
そろそろあの二人にも半袖の服とか着せてあげた方がいいかもしれない。
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