白鳥(しらとり)は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ
若山牧水
近代の歌人、若山牧水の作。
歌では「しらとり」と読んでいますが、ハクチョウのことです。
広い広い青の中に、ぽつんと漂う白鳥。
もともとこの歌を詠んだ時の牧水は恋がうまくいっておらず、それゆえの「哀し」なのだそうですが、ふしぎとたくさんの人の心に響く孤独の歌になりました。
人混みの中にいる時の、孤独。
誰かと一緒にいる時の、孤独。
ひとりぼっちの、孤独。
いろんな孤独があると思いますが、どんな孤独も包み込んでくれそうな、空や海のように大きな歌だと思います。
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