前の記事にひきつづき、今日も雨のお話。
毎日毎日雨で、ちょっとうんざりしますよね。ピーカンな空がなつかしいです。
でもね、飽きるっていうのも、ぜんぶおんなじ「雨」だと思っているからかもしれない。
どうやら日本語には、「雨」を表す言葉がたくさんあるらしいのです……。
季節ごとの雨の言葉をお送りする予定でしたが、予想以上に多くの言葉があったので、今回は梅雨限定ということで……。
夏の雨……いや日本の雨といえばこの人。「梅雨」の式神さん(?)を呼んでみました〜!
ええー……今忙しいのに……
雨の王様、梅雨さん登場!
梅雨真っ最中なのにすみません!10分だけで良いのでお話聞かせてください!
しょうがないですね。大体六月上旬から七月下旬くらいまでは繁忙期なので次からは気をつけて……。
梅雨どきのいろんな雨の名前
梅雨・五月雨(さみだれ)
まあ、私のことです。梅の実が熟す時期だから、「梅雨」。
なんで六月なのに「五月雨」っていうんです??
日本の昔の暦(太陰暦)だと五月なんです。
「梅雨」はその時期のことも指すのに対し、「五月雨」は雨そのものを指しています。
へえー、「梅雨」もいいけど、「五月雨」ってひびきが綺麗ですねぇ!
だから、「五月雨」は昔から和歌などの文学によく使われてるんですよ。
「梅雨」じゃなくて「五月雨」って呼んだら、すこしは気持ちが晴れるかな……!?
迎え梅雨(むかえづゆ)
きちゃった。
えっとつまり……本格的に梅雨に入るちょっと前にフライング気味でやってくる小さな梅雨のことですね。
「春雨」と「梅雨」のあいだの雨を指す場合もあります。
返り梅雨(かえりづゆ)
ただいま。
これは梅雨が終わったと思ったらまた二、三日降り続くやつ。
名残惜しくってねぇ……。
(雨が好きじゃない人からすると、ちょっとうっとうしいかも……?)
空梅雨(からつゆ)
全然雨が降らない梅雨のこと。
去年とかそうでしたねぇ。そういう時って、梅雨さんは何をされてるんです……?
社内ニートみたいな感じになってます。
男梅雨(おとこづゆ)・女梅雨(おんなづゆ)
男梅雨はザーッと降っては止む豪快な雨、女梅雨はしとしとと長く降り続く雨……。
あー、これはちょっと、現代ではあかんやつですね……。
豪快な女梅雨に、しとやかな男梅雨があったって良い、というのが現代流ですね。
送り梅雨(おくりづゆ)
梅雨の最後に、ひときわ強く降る雨。雷なんかが鳴ることもあります。
これが終わると、夏なんですね。さようなら、梅雨さん……。(ちょっと寂しいかも……)
七夕関係の雨の名前
洗車雨(せんしゃう)
これは七月六日の雨。彦星が織姫に逢いに行くために、牛車を洗う水が降ってくる、ということです。
面白いですね!彦星、甲斐甲斐しいなぁ……。
洒涙雨(さいるいう)
こちらは七月七日の夜の雨。再会を果たした彦星と織姫が、別れる際に流す涙……もしくは、逢えなかったので悲しくて泣いた涙とも言われています。
あ、今年の七夕は雨が降りましたね!かわいそうだから、せめて逢えてることにはしてあげたいですねぇ……。
そうなんですよぉ……もう悲しくて悲しくて……。
彦星さん!?!?
彦星さんの活躍はこちらをご覧ください!
まとめ:梅雨にもいろんな梅雨がある
やー、びっくりしました。梅雨って言ってもいろいろあるんですねぇ。
そうなんです。これですこしは梅雨を楽しんでいただけますか?
はい!ありがとうございました。
そしたら仕事に戻りますね。そろそろ梅雨もラストスパートに入るので……。
いってらっしゃーい!
梅雨ひとつとっても、こんなに言葉があるってことに驚きました。
特に今年の七夕の日の雨なんかは、ちょっと残念に思っていたのですが、彦星と織姫の涙だと考えれば、「泣いたってええねん。もっと泣けばええねん。」とすら思えてきます。
雨が続くと外出もおっくうになるので、「うっとうしいなぁ……早く止まないかなぁ……」なんて思ってしまいますが、もともとは大地をうるおす恵みの雨だったんですよね。
夏の雨は大地へのうるおいや、涼しさをもたらす喜ばしいものとされ、「喜雨(きう)」などとも呼ばれていたそうです。
こんなに雨の言葉が多いことからも、雨の「愛され具合」が伝わってきますね。
憂鬱な梅雨にしても、「送り梅雨」とか「迎え梅雨」とか、まるで人のように扱われているのが面白いですね。そう思うとちょっと親しみが湧いてくるかな?
おまけ:春雨さん
春雨さんも描いたのですが、記事の方向性が変わったので来年の春までお蔵入りに……というのも寂しいので、ちょっとここに置いておきます。
やわらかく、けぶるように降り注ぐ春の雨です。また来年お会いしましょう……!
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