木の葉散るごとに晴れゆく冬の月夜の歌

風寒み 木の葉晴れゆく よなよなに のこるくまなき 庭の月影

式子内親王

式子内親王の歌は、とても美しくて絵画的なものが多くて、私もいくつか絵を描いています。

上記の

色つぼむ 梅の木の間の 夕月夜 春の光を 見せそむるかな

こちらの歌でもそうなのですが、静かにじっと佇み、季節季節の光のわずかな差まで感じ取って、繊細に言葉にしたかのようです。

庭の木の葉が冷たい風で散っていくごとに、晴れ渡っていく冬の月夜。

寒さも感じるけれど、どこかすっきりとした気持ちになるのは、「木の葉晴れゆく」という言葉のせいでしょうか。

式子内親王も「斎王」という立場上、時代に翻弄されることも多くきっと大変な人生であったと思うのですが、こうした歌の数々にはいつも清らかでまっすぐな自然への目線を感じます。

少女のように、月や花をただ一心に見つめて、自然と一体化してしまうような……そんなところからぽろっと出てきた言葉のような気がするのですが、いかがしょうか。

実朝公のこちらの歌にも通じるところがあるような気がします……!

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